あもすけ

パーフェクトブルーのあもすけのネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

フォーカスがぼけてくのも窓の向こうも鏡の反射も、ここにあるはずの自分を切り出したり追い詰めたり揺らしたりしながらただひとつと胸に抱えているはずのものを強く、だけどそれすら誰のどんな投影かわからない。自分で思い込んでいるのでも、願うのでも、誰の望みが交わって像を結んでいるか、現実の光景に惑い夢の台詞に醒されるようなくらくらするアニメーションの縦横無尽が凄かった。まわりをどれだけぼかしてもまだ足らないくらいに浴槽に潜って全部を遮って、逃げて逃げて着地、それで死なさなかったこと、最後がどんな彼女でも希望と感じてしまったし、エンドロールの歌が染みてぐずぐずになった。人の描き方が生々しくて、瞳の濁りと煌めきが視界も心も映すみたいに語っていたし、一方的であることにも両面を感じられて気持ち悪くてキラキラしていて素晴らしかった。
あもすけ

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