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パーフェクトブルーのdededonのネタバレレビュー・内容・結末

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

女優の扱われ方、アイドルのあり方、日本社会、ストーカー、推しなんて大分可愛いあり方だなって

劇中作を用いて現実と作品との境界を曖昧にすること、自分の体験と自分の本当の気持ちがわからなくなることの曖昧さ、急激な周りの変化から戸惑いから生じるこれでいいのかという思いを視覚的に的確に表していた、ただただ凄かった
序盤から中盤にかけての視覚的なものによる混乱はストーリーがどう転ぶんだと?前情報無しで見たのでとても楽しめた


オチは正直なんというか劇場ではガッカリに思ってしまった。まあ主人公の行動を知っているマネージャーが犯人って線はだいぶありがちだけど……それにしても俺が感じたのはつまり、かなり穿った見方であることはまず断っておくけど
つまり女性の立場、目線からのストーリを強く感じる序盤のカメラアングル(アイドルから見たファンやカメラマン、また撮影中に周りに男しかいないあの不気味で心細い演出のうまさ)、カメラを向けられるアイドルからみたファンというあり方、プライバシーなんてない、そういうストーカ気質を強く感じる日本のアイドル文化を描き、そのうえで芸能界の嫌な部分、これは今でも多分普通に行われていることが容易に想像できるけど、出演者からの演技に見せかけたレイプにカメラマンからの同意のない(あってもことわれないように仕向けられている)ヌードの公開などを「女性主人公」の視点から映しているのに、結局落ちが唯一の味方として描かれていた女性マネージャーってのはあまり好きじゃないな

ただ好きじゃないなってだけでだから何だよと言われたらあれだけど……フェミニズムを含めた社会学について体系的に学んだわけじゃないから所詮この程度のことしか言えないけど

個人的にはレイプシーンあるし、何回も見直せないの辛いな
映画館で見ても大分嫌な気分になった

とにかくカメラアングルのあり方と場面カットがマジで本当にありえないくらい素晴らしい作品
女優として最初の撮影現場の主人公視点で周りの知らない男に囲まれている場面とアイドルとしてファンやカメラに囲まれている場面カットの対比、本当に印象的だった

あと映画館で映画見るの結構久しぶりだったけど、めちゃくちゃ女性客、それも同年代の大学生以下が結構いてびっくりしたな
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