翔志朗

白鳥の湖の翔志朗のレビュー・感想・評価

白鳥の湖(1959年製作の映画)
4.0
冒頭に当時の論評や後にいかに白鳥の湖が評価されていったか、幕間を利用してさらに詳しくチャイコフスキーの作家性に言及していくなど、完全なドキュメンタリー映画となっている。

演目中もナレーションにて解説が入る。台詞が無い部分を映像的に楽しめるよう補っている。

時折、客席の様子が映るのも愛おしい。
舞台袖から撮った映像など、様々な魅せ方‼︎いったい何台のカメラで何公演撮影したのか‼︎
リッチで豪華な画作り。

舞台美術が息を呑むほど美しくて、凝縮された奥行はどうやって作ってるんだろうと思ってたら、幕間の解説で転換の様子も見せてくれた‼︎‼︎
とてつもなく巨大なホリゾントの前に何枚もレース状の幕を、森であったり、湖であったりとまるでレイヤーを重ねるがごとく構築されていく、圧巻。

終幕、ボリジョイ劇場中がスタンディングオベーションに包まれ、お客さんのクローズアップが多々挿入されるが、本当に何か明日からの人生が変わる様な体験が出来たのだろうと思わせる表情をしている。
百年以上前から、支柱は変わらず演じ続けられてるのは素晴らしい事なのだと実感出来る。
翔志朗

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