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イレイザーヘッドのタロウのレビュー・感想・評価

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)
3.6
『ERASERHEAD/イレイザーヘッド』




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恋人のメアリーが赤ちゃんを出産したと聞き、ヘンリーは結婚することを決意。だが待っていたのは華やかな結婚生活ではなかった。
これは現実か、はたまた悪い夢か___狂気じみた世界が、ヘンリーを蝕んでいく、、
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 一から十まで全部が奇怪!なぜそうなる?何が起こってる?の連続、というか終始ナニコレ??が頭の中でぐるぐるする90分弱になっている。加えて台詞も少なめでゆーっくり進む物語に退屈するかなと思いきや、唐突なびっくり描写で画面から目が離せない。同時に、何でこんなことが起きてるの?!と先が気になってしょうがなくなる。で、いつしかこのループから抜け出せなくなる。
 こうした「世にも奇妙な物語」の雰囲気を思わせる、日常の延長線上にあるような世界観とあまりにも突飛過ぎる衝撃映像のコラボレーションがデヴィッド・リンチという監督の色なのかなと勝手に解釈してみたけれど、、異質も異質なあの世界を作り上げた監督の頭の中をのぞいてみたい。

 何より諸々の美術と特殊効果表現!チキン、赤ちゃん、芋虫型の謎生物、生首等々グロテスク極まりない表現がモノクロ世界の中で光りすぎている。これは誰が手掛けたのかなと調べてみると、監督自身!というかそもそもここだけにとどまらず脚本、編集までほぼ全て彼の手腕によるものだった!"私がデヴィッド・リンチだ!"と世に知らしめるには十分過ぎる名刺代わりの一作だと思う。それだけのパワーがこの奇怪難解な作品には詰まっている。

 ハマりそう。いや、もうハマってるのかも、デヴィッド・リンチワールド。次何見よう、、👀

◎印象的アイテム◎
・チキン(知ってるチキンじゃない)
・大きなボウルに入ったサラダ
・赤ちゃん(知ってる赤ちゃんじゃない)
・芋虫型生物
・ハサミ
タロウ

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