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劇場版 ユンカース・カム・ヒアのmuscleのレビュー・感想・評価

5.0
何度見てもオールタイムベスト。どう考えても高潔すぎるラストカット。

この作品の佐藤順一ってもうほとんど高畑勲なんだなって思う。人形劇のとこの編集なんて、もう高畑勲超えてる気がする大胆さだ。『海がきこえる』とこれを続けてみると90年代前半にはアニメ業界のシネフィル化が完全に達成されたのがわかる。
犬のチンポコが凄まじい泣きの場面で描かれているのだけれど、冒頭とラストで明確に犬のチンポコがあり、それが喋るのだというリアリティラインでやるぞという意志がある。ぎりぎりのビターエンディング。大団円を装いつつ、なにかが喪失する感覚を与えつつ、手短に終わること。こんなに壊れそうな高貴な映画があっていいのだろうか。昔見たときは大橋学に圧倒されっぱなしだったけど改めてみると、魔法の一夜が明けた後の、あのサラリとした感覚が凄い。ファンタジーが起こるリアル風の画面に漂う独自のバランス感覚。作画と演出と脚本がひとつの方向を向いている。
細田守が大絶賛してるのを最近知った。本作に偽名で参加している神アニメーターは3人いる‥と書いてあるんだけど、もはや半公式になってる磯光雄と、残りは…?
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