ものすごくよかったーー
絶縁状態だった父の死をきっかけに、自閉症の兄の存在を知る。
当初は遺産のため、誘拐ともとられかねないような形でレイモンド(兄)を強引に連れ出し、レイモンドが飛行機や高速を嫌がるもんだから気づいたら車で旅するロードムービーへ。
兄の抱える病気に関してはてんで「素人」の主人公は独自の態度で兄に接し、諸々のイラつきをぶつける八つ当たりのような形で乱暴に扱い、同行していた恋人は呆れて帰ってしまう。
しかしストーリーが進んでいくうちに、幼い頃に兄と暮らしていた時間があったこと、そして自分の心の支えであったイマジナリーフレンド「レインマン」が兄のことだったとわかる。
正直、「初めは尖ってた弟がお兄さんと打ち解けるんだろう」と展開は読める話なんだけども、ダスティンホフマンの綺麗で綿密なキャラクター造形と、トムクルーズの丁寧な心情変化の過程で、見事な6日間の時間軸を描き出した。
ラストはやはり涙待ったなし。名作です。
