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ゴジラ対ヘドラのkazu1961のレビュー・感想・評価

ゴジラ対ヘドラ(1971年製作の映画)
3.8
▪️Title : 「ゴジラ対ヘドラ」
Original Title :※※※
▪️First Release Year:1971
▪️JP Release Date :1971/07/24
▪️Production Country: 日本
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-426 再鑑賞
🕰Running Time:85分
▪️My Review
♪鳥も魚もどこへ行ったの。。。水銀、コバルト、カドミウム。。。汚れちまった海。。。♪
凄いオープニング曲から始まります。麻里圭子が歌う「かえせ! 太陽を」。そして海の汚染描写も強烈です。
この時代、公害問題深刻でした。頻繁に光化学スモッグ注意報が出てましたもんね。そしてサイケなアナーキーな世界観とヘドラの造形もたまりません。それにしてもヘドラ強い!!
本作、公開当時の社会問題であった公害をテーマにしており、特に当時話題だった「四日市コンビナートの工場煤煙」、「田子の浦港ヘドロ公害」を題材に採った作品です。その田子の浦港の汚染された海から生まれた怪獣ヘドラと、ゴジラが対戦します。サイケデリック文化や若者のモラトリアムなど同時代のさまざまな背景も色濃く盛り込まれ、公害をテーマとしたアニメが挿入されるなど異色作となっています。
また、ゴジラが体を丸めて放射能を口から吐き、それを推進力にして飛ぶという迷シーンで注目を集めました。その後、プロデューサーの田中友幸がこれに激怒し、監督は特撮から干されてしまったというエピソードもよく知られています。

本作が作られた経緯として、当時、テレビの台頭による「邦画の斜陽」は深刻なものでした。そこで起死回生策として、プロデューサーの田中友幸は「もう一度ゴジラを考えよう」と提案し、実現しました。しかしその経営状況から制作予算はこれまでのゴジラシリーズにはない低いものとなったようです。
そこで、「マルチ画面やアニメーションによる抽象的な社会描写の多用」「監督自身による水中撮影」など、全編がゴジラシリーズとしては異色の映像で彩られているんですね。(参考:Wikipedia)

物語は。。。
海洋学者・矢野の元へ持ち込まれた不思議なオタマジャクシ状の生物。だが、ヘドロの海で採れたその生物は鉱物で出来ている脅威の生命体でした。その頃、海では船舶事故が相次いでおり、TVカメラには奇怪な海坊主のような怪物の姿が捉えられていました。矢野の研究によって未知の生物は合体・増殖を繰り返す事が確認され、海の怪物も同種のものと断定されました。ヘドラと名付けられたその怪物は遂に港から上陸、工場地帯でスモッグを吸収していきます。。。

ゴジラシリーズの中ではリアリティのある時代背景と社会的な問題を捉えた秀作です。日本の危ない過去を確認できる意味でも意義ある作品です。
そして、ラストも怖さの余韻が残る秀逸な終わり方ですよね!!

▪️Overview
昭和27年11月に公開された第一作「ゴジラ(1954)」から始まったゴジラシリーズ11作目。脚本は「怪獣総進撃」の馬淵薫と、これが監督第一回作品の坂野義光。撮影は真野田陽一がそれぞれ担当。(参考:映画.com)

出演は、山内明、川瀬裕之、木村俊恵、麻里圭子、柴本俊夫。
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