オーウェン

手錠のまゝの脱獄のオーウェンのレビュー・感想・評価

手錠のまゝの脱獄(1958年製作の映画)
4.8
スタンリー・クレイマー製作・監督の「手錠のままの脱獄」は、1958年度のアカデミー脚本賞、撮影賞を受賞し、同年のベルリン映画祭で、主演のシドニー・ポワチエが、主演男優賞を受賞した、人種問題をテーマにしたサスペンス映画の秀作だ。

手錠で繋がれた黒人と白人が、お互いに人種的偏見のため、葛藤しつつ逃走する。
豪雨のハイウェイで、囚人護送車が道路から転落、黒人のシドニー・ポワチエと白人のトニー・カーティスが脱走した。

彼らは手首を鎖で繋がれたまま、危機また危機の逃避行を続ける。
互いに人種的偏見を抱く二人は、憎しみ合いながらも心を通わせていく。

細かいエピソードの積み重ねと、シドニー・ポワチエとトニー・カーティスの熱演が、絶え間ない緊張感を生み出していると思う。

撮影は野外ロケを中心とし、音楽はラジオから流れるジャズとシドニー・ポワチエの歌だけという演出が、この映画のリアリティを盛り上げていると思う。
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