青山

クリスチーネ・Fの青山のレビュー・感想・評価

クリスチーネ・F(1981年製作の映画)
3.7

ボヘミアン・ラプソディを観てクイーンにハマるつもりがなぜかボウイにハマってしまったアンダープレッシャーな私は、ボウイがライブシーンで出演してるという情報だけ聞きつけてこれを観てしまったわけでありまして、まぁ後悔したね。

内容は、クリスチーネという14歳の少女が好きな男の子や友達の影響でクスリに溺れていくという、実話が元になったお話です。
トレインスポッティングみたいな幻覚の映像とかもなくて、とにかくリアルで生々しいです。

ヤクをやる前のクリスチーネは、家庭に問題はありながらもデヴィッド・ボウイが好きな普通の綺麗な女の子......まぁボウイ好きな時点で根暗な感じはありますけどね(失礼)。
ですから、ヤクに手を出す前の場面は儚くも美しい青春映画という感じで、屋上で彼氏と二人話すシーンのキラキラにはキュンキュンしちゃいます。

......それが、ヤク漬けになってからのクリスチーネはじわじわとやつれて人相が悪くなっていき、だんだんと美少女とは言いづらくなっていくのがなんとも悲しいです。そして、ヤクを手に入れるために売春に手を染めるという負のスパイラル......。それでも、最後のプライドだけは守っていたのに、彼氏はあのザマでそれも悲しい。
また、ボウイを手放すところも思春期の少女が麻薬中毒患者に変貌する象徴するシーンで胸が痛いです。
そして、終盤の禁断症状に苦しむ場面はもう圧倒的にしんどい。上にも書きましたが
、幻覚のシーンとかがない分、彼女らの苦しむ姿が強調されるので見ててつらいです。しまいにはエクソシストみたいになるし......。

タバコでも薬でもはたから見てるとどうしても「頑張ってやめればいいのに」と思ってしまいますが、頑張ってどうにかなるもんじゃないということがひしひしと伝わってくる恐ろしい映画でした。やはり最初から手を出しちゃダメですね🙅‍♂️

ちなみにボウイのライブシーンはめちゃくちゃカッコよかったし、主題歌の「"Heroes"」は歌詞が映画の内容にばっちし合っていてお気に入りの曲になりました。アルバムのジャケ写の真似しながら歌ってます家で。
青山

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