ベンジャミンサムナー

十兵衛暗殺剣のベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

十兵衛暗殺剣(1964年製作の映画)
4.0
ド頭の水中カットで意表を突いてくる。

『七人の侍』での土砂降りの中での合戦、『大殺陣』のチャンバラをも凌ぐ泥臭い闘い。

クライマックスの幕屋大休とのチャンバラもそうだが、ほとんど水中から一人ずつ不意打ちで始末したり、小舟の上での大乱戦はもはやチャンバラですらない。
どちらも手段を選ばないダーティさ。

初めて真剣を持つ武士が自分の手を切っちゃったり、斬り合いの最中に逃げ出すヤツがいたり、所謂斬られ役でも人間臭い演出がなされている。
さらには、幕屋は一人一太刀で倒さずにまず指を斬り落とし、次に目を潰してとじわじわなぶり殺すのが恐ろしい。

終わり方もドライで痺れる。
やはり60年代のリアリズムな時代劇が個人的にツボ。