ド頭の水中カットで意表を突いてくる。
『七人の侍』での土砂降りの中での合戦、『大殺陣』のチャンバラをも凌ぐ泥臭い闘い。
クライマックスの幕屋大休とのチャンバラもそうだが、ほとんど水中から一人ずつ不意打ちで始末したり、小舟の上での大乱戦はもはやチャンバラですらない。
どちらも手段を選ばないダーティさ。
初めて真剣を持つ武士が自分の手を切っちゃったり、斬り合いの最中に逃げ出すヤツがいたり、所謂斬られ役でも人間臭い演出がなされている。
さらには、幕屋は一人一太刀で倒さずにまず指を斬り落とし、次に目を潰してとじわじわなぶり殺すのが恐ろしい。
終わり方もドライで痺れる。
やはり60年代のリアリズムな時代劇が個人的にツボ。