似太郎

時代屋の女房の似太郎のレビュー・感想・評価

時代屋の女房(1983年製作の映画)
4.3
【三つ数えたら消えるだけ🐈】

伝説の女優・夏目雅子が演じるミステリアスな過去を持つ女の人生を浮き彫りにした作品。渡瀬恒彦演じる骨董屋が主人公の、心温まるヒューマン・ドラマ。

監督は庶民劇の名匠森崎東。脚本は荒井晴彦という面子。原作は村松友視の小説。(直木賞受賞作)

猫のように現れては消える夏目雅子の素っ頓狂ぶりが愛しい映画。まだ幾分昭和の風情が残る下町を舞台にしたメロドラマであり、同時にしがない男と女の出逢いと別れを描いたアットホームな庶民劇に仕上がっている。

渡瀬恒彦が経営する【時代屋】の造形が観ていてほっこりする感じがあり素晴らしかった。森崎東監督なので、多少ひねくれたストーリー展開が特徴の映画になっている。しかし鑑賞後は実に爽やかな後味の残る作品。

日傘☂️を手に持った夏目雅子が絵になっていて最高にリリカル。大人の恋愛を軸に展開される人生の侘び寂びを描いた昭和らしい名編。のちに続編まで作られた人気作でもあり、とても温かみのある森崎東監督らしい庶民劇の秀作。🤗
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