ベビーパウダー山崎

エーゲ海の旅情のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

エーゲ海の旅情(1973年製作の映画)
3.5
アメリカ映画でたどたどしい英語を話すリヴ・ウルマンがシャーリー・マクレーンみたいな役を演じている(ベルイマン色を必死に消そうと)のにそもそも無理があるが、珍しくわき役を引き受けているズラっぽい老いたジーン・ケリーもなんだか場違いで気持ちが悪い。年が離れた男女の恋愛は罪なのか、偶然の出会いと気まずい鉢合わせのシャレた(三谷幸喜的なありふれた)コメディだけど、なにもかもチグハグで三ツ星レストランのゲテモノ料理って感じ。『バタフライはフリー』からの付き合いでエドワード・アルバートが金持ちの青年役。デボラ・ラフィンはこれがデビュー作。ミルトン・カトセラスは下手な監督ではないので作りはしっかりしている、だからこそ異様で歪な映画に見える。こういったのが真のカルトだと思う、面白いよ。