水

パッションの水のレビュー・感想・評価

パッション(1982年製作の映画)
3.3
メタ的にも程があるというくらいメタ的だった。
見る前にネットで絵画の模倣が施されていることとかを調べていたから、これはかなり高尚な感じでわたしには理解できないかもな…と思ってたんだけど、それ以前に理解できないところがいくつもあった。

でもセリフがいいし、画も構図もいいし、この映画が伝えたいことはなんとなく繰り返し伝えてくれているので受け取ることができた気がした。
まず、映画に掟など無いということを物語性を排除したこの映画自体で見せている。
「作る前に生きるもの」と言うセリフも物語の構築を批判して情熱のままに創作することへの賛美だと思った。

そして労働と愛。
労働にも種類があって、光の労働者と影の労働者どちらも映しているように思えた。
そして労働と愛は似ているらしい。
ちなみに労働と愛の違いを言えるか?ってくだりのとき、「金だよ!金!!」ってわたしは心の中で悪態ついてた。わたしは労働と愛が同じわけないと思うけど、労働のために愛は必要だと思った。

この映画で言う愛は、難しかった。あと監督の光のこだわりが何を示しているのかよくわからなかった。それとセリフが妙にリップシンクしない&物音もOFFになってる序盤のあの感じもわからなかった。
序盤、セット内で監督の光へのこだわりが散々映された後、太陽を映すショットになるのは皮肉だなぁとなんとなく思った。

ファーストシーンは飛行機雲。

あとわたしはミシェル・ピコリの顔を見るだけでなぜだか安心してしまう。
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