円柱野郎

あしたのジョー 劇場版の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

あしたのジョー 劇場版(1980年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

'70年から'71年にかけて放送されたTVアニメ「あしたのジョー」を劇場用に再構成した総集編。
ドヤ街に流れ着いた矢吹丈が、少年院で宿命のライバル・力石徹と出会い、プロボクシングの世界で再び対戦する姿を描く。

2時間半の長編映画とはいえ、TVアニメで50話程度の話をそこに収めているのでかなりの部分で端折られている。
序盤で丈が詐欺を行わなかったり、林屋食料店の話とか、プロテストの話などはないし。 …が、総集編という性質上、総じて話が薄味になるのは仕方ないところか。
その上で観てみると、かなり話が削られている割には繋ぎが上手く、よく出来た編集だと思う部分は多いのだけどね。

声優陣は丈(あおい輝彦)と段平(藤岡重慶)以外はTV版からかなり入れ替わっていて、特にマンモス西の岸部シローはキャラクターの印象をずいぶん軽いものに変えてしまった。
うーん、個人的にはTV版の西尾徳の方が良いと思うのだけど…。
でも力石は細川俊之でOKかな。

話の端々がカットされているので話の流れを追っているだけの映画と言えなくもないけど、それでも丈と力石の因縁の対決はその絵力がすごいね。
そこに至るまでの力石の減量にしてもそう。
もう少し、丈と力石がそこまでしてお互いの対戦にこだわる理由が目に見えると良かったかもしれないが、でもなんだかんだ言って力石がカッコイイ。
少年院から出所する場面の「あばよ」なんざ名シーンだと思うのだけれど。
円柱野郎

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