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ロスト・イン・トランスレーションのkuuのレビュー・感想・評価

3.9
『ロスト・イン・トランスレーション』
原題 Lost in Translation
製作年 2003年。上映時間 102分。
長編映画デビュー作『ヴァージン・スーサイズ』で高く評価されたソフィア・コッポラ監督の長編第2作。
異国の街・東京で出会ったアメリカ人男女の心の交流を繊細に描き、2004年・第76回アカデミー脚本賞をはじめ数々の映画賞に輝いた。
ビル・マーレイがボブ、スカーレット・ヨハンソンがシャーロットを演じた。
林文浩、藤井隆、ダイアモンド☆ユカイら日本の芸能人、タレントも出演。

ウィスキーのCM撮影のため来日したハリウッドスターの中年男性ボブ。
倦怠期の結婚生活から逃れる口実と2万ドルの出演料のためになんとなく引き受けたものの、言葉が通じない中で疎外感を募らせていく。
一方、若い女性シャーロットは写真家の夫に同行して東京へやって来たが、夫は仕事で忙しく、ホテルの部屋でひとり孤独な日々を過ごしていた。
滞在先のホテルで偶然知り合ったボブとシャーロットは急速に親しくなり、ネオンきらめく東京の街へと繰り出していく。

今作品は人間体験映画と云える。
愛、人生、孤独の複雑さを検証し、赤裸々にする。
外国に旅行する際の閉所恐怖症、不眠症、見当識障害、人生の平穏が薄れ始めた後に忍び寄る孤独、そして、新しい出会いがもたらす期待の輝き。
これこそが人生を彩る一つであり、今作品はそれを描き出している。
幸せな結婚生活を送りながらも、人生の平凡さに打ちのめされ、孤独を感じている。
まさにそのような状況で、束の間とはいえ禁断の喜びの誘惑に負けて、モラルの遵守の枠からはみ出したことがある人は何人いるだろうか?
見知らぬ人の微笑みをみたとき、『もし、あの人の人生を送ってたなら。。。』と思うような疼きや火花を感じたことがある。
時間を変えれば、場所を変えれば、認めようと認めまいと多くの人が経験することやと思う。
オヤジの小生には想像をフルに働かしての理解もあったが、今作品の登場人物はリアルに感じた。彼らのセリフも、設定も然り。
そのすべてが飽きることなく魅力的なのは、多くの人が共感でき、普通の映画ではありえない方法で巻き込む展開やからやと思います。
個人的には二人が一緒にいるときも離れているときも、その一瞬一瞬に引き込まれた。
また、二人が共有する視線、ニュアンス、言葉に興味をそそられた。
スカーレット・ヨハンソンは、結婚に疑問を抱く孤独な若妻を見事に美しく演じている。
彼女の美しさは古典的なもので、必ずしも性的なものではないが、この役では明らかに魅力的でした。
彼女の唇、したい、そして妖艶な瞳は、そのことと関係があるのかもしれない。 
それでも彼女は、19歳であっても、無頓着な美少女ちゅうよりは洗練された美女かな。
これは彼女のために作られた役ちゃうかな。
リース・ウィザースプーンやジェシカ・アルバ、あるいはジェシカ・シンプソンなど、この分野の人には決してできなかったと思う。
また、ビル・マーレイは巧みな演技を見せていた。
彼は、後退した生え際とふてぶてしい体つきで、苛立ち、中年、憂鬱を誰よりもうまく演じてる。
この2人が肉体的にも感情的にも通じ合えると、表面的にはそう思えなくてもリアルにうつる。
シャーロットのように美しい若い女性に魅力を感じひん50代が他にいるやろか?
これはごまかしのきかない化学反応であり、今んところこれ以上完璧なペアを思いつかない。
日本人のご出演は割愛。
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