mingo

渦のmingoのレビュー・感想・評価

(1961年製作の映画)
4.2
一年に一回は観たい「熱愛者」目当てだけど「渦」との二本立てありがとう新文芸坐。「あの人」て言うのもやめて!とブチギレる岡田茉莉子のベストアクトがひかるだけでなく番匠センセの天才的な掛け合いが素晴らしいホームドラマの傑作。序盤で因縁をつけられ怯む事なく喧嘩、石をぶつけて「殺しちゃった!」とどうかしてる孤児石川竜二、大好きな義母まりこ様に喧嘩はもうやめてと言われもうしないよ!と誓うも東京タワーライトアップ深夜の増上寺で大乱闘しちゃう若さ炸裂。暴力野郎ということがフックになり、しまいには東京駅茶店の前でまりこ様を奪い関西にしけ込もうとするプレイボーイ仲谷昇に殴りかかり警察沙汰、想像だにしない展開に震えた。佐田と岡田のお互いを想う電車の中と窓の外を見つめる別々のカットで終幕もただただ素晴らしい。またもう一杯食わせろと佐分利信の優しさが染み渡るし「恋は病気」名言2021に認定。原作井上靖と脚本笠原良三の貢献度も高い。
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