スイス、チューリッヒにひょんなことから引っ越してくる女の子がそこで何やら多発する殺人事件に巻き込まれていく、という話。ダリオ・アルジェントによる猟奇的ホラー及びミステリー映画。
主演がめちゃくちゃあどけないジェニファー・コネリー。彼女演じる主人公は虫が好きで、更に虫たちと何やら意思疎通も図れるという、なんか知らんけど初っ端から不思議な特殊能力を持ってるという、そんなヘンテコ設定がまずありつつ、なかなか特定し難い犯人の存在や謎解きなど全編ミステリーの様相で展開していく。猟奇ホラーと言いつつまぁ時代的な古さも相まってか怖くはなく、しかしゴア描写はたまにショッキングだったりもして、ビジュアルでまず楽しめるブッ飛び系の内容と言えるんじゃないかなと。で、前述した「虫」含め、なんでもないことのようでじつは伏線でしたってなシーンが多々あって、しかも後々わりとしっかり回収されていくからなんか気持ちいい。ファンタジーのようなオカルトのような方向性も掛かりつつ、これはサイコパス的な所謂「人怖」か、何やら奇怪な存在によるものなのか、読めない、てか読ませてくれないストーリーが何気におもしろかったりして。
今作はというと虫描写が苦手な人はなかなかキツそう。飛ぶやつ這うやつとか、小さいのがうじゃうじゃとか、あとそれ関係のエグいシーンもしばしば、終盤のあのヘドロ溜まりよ。急にメタル調の音楽が流れたりして、これは『サスペリア PART2』『サスペリア』でもアルジェントとコラボしてたGoblinの楽曲なんだけど、そんなこんなで作品全体のテンションだったり、わりとやりたい放題の様だったり、うん、嫌いじゃない。むしろちょっちハマりつつあるアルジェント作品でしたチャンチャン。
