JTKの映画メモ

戸田家の兄妹のJTKの映画メモのレビュー・感想・評価

戸田家の兄妹(1941年製作の映画)
4.5
ドラマ的には「東京物語」と並ぶ傑作かも。スタイル的にも既にほぼ完成、完成一歩手前な印象。

小津作品は晩年に至るに従っていい意味でスタイルの権化と化すが、この作品(1941年)は潔癖さ以前に小津の"本音"が顔を出す。
以前「彼岸花」のレビューに"小津の描く「家族」は、小津の畏れと憧れの現れ"と書いたが、この映画を観てもう一つ追加する気になった。
小津の描く「家族」は、畏れながら憧れ忌み嫌っていた小津自身の「家族」に対する心象の現れだと思う。
そして一生独身を貫いた。