20.02.14 DVD(所有)
(日記より)
クエイ兄弟のDVD「ブラザーズ・クエイ ショート・フィルム・コレクション」の1枚目に収録。
「人工の模型」はクエイ兄弟の処女作と位置付けられている。無人の路面電車が、静まり返った真夜中の市街をゆっくりと走る描写が幻想的だ。ビルかなにかの一室に閉じ込められ外に出られない一人の男(マリオネット)が、通り過ぎる路面電車を窓から眺め、夜の街を自由気ままに散歩する自分を夢想する。夜空を見上げ腕を広げて大きく深呼吸した途端、バランスを失って、部屋の中で椅子から転倒し、その途端に不自由な現実世界に引き戻される。人形ゆえのぎこちない転倒の動きに悲哀を感じさせるところがすばらしい。その転倒の動きは計算して何度も撮り直しを重ねたのか、偶然の産物だったのかはわからないが。