ひろ

ハーフ・デイズのひろのレビュー・感想・評価

ハーフ・デイズ(2009年製作の映画)
2.6
スコット・マクギー&デイヴィッド・シーゲル製作・監督・脚本によって製作された2009年のアメリカ映画

異彩を放つ監督コンビと旬な若手俳優という組合せには期待が持てる。映画ファンなら食指が動く作品だろう。一組のカップルが過ごす全く異なる独立記念日。二つの物語を同時進行で見せるパラレルワールドものだ。

一方は事件に巻き込まれるスリリングな展開で、もう一方は家族を描いた物語になっている。二組のカップルの物語を交錯させる作品はよくあるけど、同じカップルの異なった一日というのは珍しい。

ジョゼフ・ゴードン=レヴィットの出演作は秀作が多いから期待値が高い。恋人役のリン・コリンズも最近頭角を表してきた女優だし、より期待してしまう。なんでも、この作品は大まかなストーリーだけを聞かされて、台詞のほとんどは主演の二人のアドリブだという。それを知って観ると、二人がいかにすごい俳優かが解る。最近の俳優のレベルの高さには驚かされる。これぐらいの力がないと、生き残れない時代なのだろう。

そんな二人の演技は素晴らしいと思うのだが、やはり肝心の作品の力が物足りない。二つのパラレルワールドを描いているが、同じ登場人物の物語を交互に描いているだけで、これなら短編を別々に見せてもそれほど変わらない。選択により人生は劇変するということを言いたいのは解るのだが、どちらの物語も結末が中途半端で、消化不良になってしまう。パラレルワールドを交錯させちゃうぐらいの大胆さがあってもよかったかな。新しいことを試みようとした気概は買うけど、ちょっと違ったかなって印象だった。
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