月影

キューポラのある街の月影のレビュー・感想・評価

キューポラのある街(1962年製作の映画)
3.9
吉永小百合の作品を全て観ている訳ではないが、これまで観た中で演技が1番よかった。不良少年たちにレイプされそうな場面があるのだが、後に初夜場面が嫌で出演を断った「忍ぶ川」は一体何だったのだろう。それゆえに吉永小百合はこの作品以上のものが出せない。

脇の役者も素晴らしく、子役の2人、特に弟役の市川好郎の演技が素晴らしかった。

映画から高度経済成長期当時の生活や時代背景がよくわかる。それと朝鮮への帰還事業だ。
今でも朝鮮人に対する偏見はあるが、この石黒家の子どもたちのように仲良くしていた人たちもいたんだろうと想像がつく。

最近、貧困とか毒親とかいう言葉がよく聞かれるようになったが、昔の貧困は桁違いだし、ひどい親は昔からいるものだ。
石黒家の子どもたちが口にする「自己中心主義」という言葉がピッタリだ。
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