ばーとん

キューポラのある街のばーとんのレビュー・感想・評価

キューポラのある街(1962年製作の映画)
1.0
「貧乏人は喧嘩したり酒を飲んだり博打を打ったり気短で気が小さくてその日暮らしの考え方しか出来ない弱い人間」
劇中、吉永小百合に語らせているこの言葉がこの映画の全て。今村昌平の頭には「庶民は馬鹿で無知で下劣でなければならない」という信念でもあるのかね、ずいぶんと差別的に思える。(今村の弟子で監督の浦山桐郎にしても似たようなもん)
貧乏から脱したいなら理想郷を目指して旅立つか、或いは死に物狂いで努力しろ、という結論も映画としてはクソだしあまりにも無責任。吉永小百合の魅力はこんな映画では決して分からない。同年に公開されたブルジョアジーの優雅な生活を描いた「赤い蕾と白い花」の方が遥かに素晴らしい。
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