囚人13号

ピーター・パンの囚人13号のレビュー・感想・評価

ピーター・パン(1924年製作の映画)
3.7
良い。無声映画では『不思議の国のアリス』が代表例だが御伽噺の翻案にはある種のグロテスクさが伴う、擬人主義ではなく単にこうするしかなかったため明らかに人間な犬や鰐を当時の観客はあまり気にしてなかったのかが疑問。

ピーター・パンがストッキングみたいな"影"をぶら下げて現れるショットから宙を舞うような躍動感、別れの場面まで非常にクオリティが高いのだが、アップは特に優れていたと思う。ベティ・ブロンソンの快活で純真な童顔ほか、小さな発光体が飛び回ってるようにしか見えないティンカー・ベルをアップにしたショットの細やかさに実は一番驚いたかも。
ただし、もちろんピーターは男の子なのだがここで女優が演じているという事実、女の子と思って見てしまうと…裸足で駆け回ったり(女子同士で)キスしてるので見方によっては中々エロティック。厨二病みたいな自分が嫌になるが、序盤にある"影"を脚に引っ掛ける云々のやり取りがとにかくすっごい。
囚人13号

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