三年前に劇場で「スポットライト 世紀のスクープ」を観てからずっと観直したいと思ってたこの映画
メリル・ストリープ × フィリップ・シーモア・ホフマン × エイミー・アダムス × ヴィオラ・デイヴィスと確かな腕を持つ役者陣の演技合戦
カトリック学校が舞台ということもあって宗教が強く絡んでいるため、高尚的な空気感のもとでストーリーが進行していく
そしてその高尚性が今作では最大の障壁となりえるし、最大の争点ともなりえる
倫理観と常識を後ろ盾にした学校での教育方針と、家庭内での親のそれぞれの教育方針
子どもの躾という意味では同一のベクトルを描いているが、その重なり合う接点は意外にも少ない
疑いの気持ちを少しでも抱いてしまったらその原因に理由を求めてしまうのが人の性
たとえ一定基準の真実や良識から目を背けることになったとしても、自分の内に芽生えた疑惑の芽を摘み取ることで自分を納得させていくという人間心理の変化描写が秀逸
後味は極めて悪いが、その確かな味をいつまでも覚えておきたい作品
観直して本当によかった