片腕マシンボーイ

酔っぱらい天国の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

酔っぱらい天国(1962年製作の映画)
3.3
酔っ払いが酒に飲まれてはちゃめちゃする系のコメディ作品かなぁ?ってウキウキ見始めたのに、中盤以降めちゃんこ暗い作品で、飲まなきゃ観てらんねぇよ!って昼間っからビール飲みながら観たヤツ!

息子が酔っ払いの喧嘩に巻き込まれてしまったんよ……って話

本作は酒飲みの親父役の笠智衆が主演なんやけどもね!この親父が息子と2人暮らしなんやが息子のことが大好き過ぎて、息子が恋人と結婚したい!言うたらば、まだ早い!まだ早い!ワシまだお前と2人暮らしを楽しみたいんよぉ!言うてめちゃんこ可愛らしいんですわぁ
まぁ親子共々酒飲みで、特に仕事で上司にムカついた笠智衆が飲み仲間とはしご酒するシーンの爽快な酔いっぷりにはゲラゲラするんですがね……

うむ、中盤で息子が友人である野球のスター選手と飲みいき、その野球選手が酔った勢いで他人と大喧嘩して棒をブンブンぶん回すんですが、マヌケな息子は喧嘩を止めようと不用意に近づきバチコーン!頭をぶん殴られましてね……
もうそこからはこの親子に次々と不幸が舞い降りまして、挙げ句の果ての息子の恋人のあまりに酷い仕打ちよ!さすがに、え?なんでそうなんの?ってマシンボーイの空いた口も塞がらず、どん底を覗き込むようなラストカットにはビール味のゲロ吐きそうな気持ちになったんよねぇ、スンスン
うん、なんか韓国で復讐劇としてリメイクされてもおかしくなさそうな、明るいタイトルに似つかわしくない作品でしたわぁ

ちなみに主演の笠智衆はイメージと違う振り切った酔っ払い演技は見応えあるし、息子をうっかりぶん殴る野球選手の津川雅彦や、息子の恋人の倍賞千恵子っつ〜豪華キャストの、ジメッとした嫌な感じも素晴らしいので、暗い後味悪い系映画好きな人にはオススメできる作品やったけども
マシンボーイは酔っ払いがアタフタアタフタなる爽快なハチャメチャコメディ期待していたから全然楽しくはなかったよね!スンスン
(といいつ、笠智衆に畳み掛けられる不幸の連続は嫌いになれない……)