Kuma

月光の夏のKumaのレビュー・感想・評価

月光の夏(1993年製作の映画)
3.9
鳥栖の小学校にある古いピアノが処分されそうになる。「戦時中に特攻隊員が弾きにきた」というエピソードを語ると、報道され大きな反響を得る。
「その隊員は生きているのか」と根掘り葉掘り探るうちに、対象人物が絞られる。しかし「記憶にない」と語り、他の兵士たちも当時のことには口をつぐむ。

「果たして弾きにきたのは誰なのか、生死は?」「兵士たちに何が起こったのか?」
疑問が疑問を呼び、戦争映画なのにぐいぐい惹きつけられる。

戦争経験者が語らないというのがリアル。それを暴こうとする記者たちが嫌いになりそう。だがこれもリアルな反応だと思った。

泣かせ所ではしっかり泣かされる。思わず「もういいよ」と言いたくなる。
これも序盤に、迫力ある月光の演奏で、一気に惹きつけられるからだろう。

久しぶりにいいもの見たな、と思った。
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