荒野の狼

男はつらいよ 私の寅さんの荒野の狼のレビュー・感想・評価

男はつらいよ 私の寅さん(1973年製作の映画)
4.0
1973年公開の男はつらいよシリーズの12作目。マドンナは岸恵子で当時41歳で渥美清より4歳下で年齢的には釣り合っている。岸恵子は画家の設定で、さくらが羨むようなお洒落な家に住んでいて、生活感がなく食事もほとんどとらないような生活だが、気品に溢れかわいらしいいマドンナはまさに岸のはまり役。ショパンの「別れの曲」をバックに交わす岸と渥美の会話は寅さんの優しさあふれた名シーン。

岸:女としては中途半端なの。お台所のこともできないし、子供だって満足には育てられないだろうし。だけど女だからとっても嬉しいの寅さんの気持ちは。
渥美:もういいよ。よくわかるよ。あんたの言うことは。だけど、あんた誤解しちゃってるよ。俺は惚れたとかはれたとか、そんな風にあんたのことを考えたことはないよ。今までずーっと友達だったし、これからだってそうだよ。 本当だよ。安心しなよ。
岸:熱い紅茶淹れてくる!

渥美(倍賞に):俺はりつ子さんにすっかり迷惑かけちまったらしいよ。あの人にはな。余計な心配とか気苦労なんかさせちゃいけないんだよ。そんな事考えてたら美しい絵なんか描けないだろ。わかるだろ、お前にも。
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