majizi

ひろしまのmajiziのレビュー・感想・評価

ひろしま(1953年製作の映画)
4.0
「原爆に甘えているって言われるんです」

なんという言葉。
しかしこれが現実。

原爆で生き残り、被爆者であることの苦しみや差別が原爆投下から8年後に製作され、実際に8年後という設定。

原爆直後の描写もさることながら、そこで起こる一つ一つのエピソードの重さが尋常ではなく、心がどんどん暗くなっていく。そして数年経とうとも原爆の暗い影は人々に付きまとい、闇の中にいるような気分に。

まさかの日教組制作。確かにそれほどの意志が無ければ制作には至らないか。
私は割と日教組の色濃ゆい地域の教育現場で育ったので、平和教育はしつこいぐらいに受けてきた。その意義はあるとは思うが、彼らの視野の狭さと罪悪感だけを子供たちに植え付けるようなやり方は好きではない。
けれども今作はそこまでの偏りは感じなかった。

「ドイツじゃなくて日本に原爆が落とされたのは日本人が有色人種だからだ」

然り、然り。

差別はさらなる差別を生む。自分たちが虐げられないために、より弱者を見つけて攻撃する。
私たちが目を背けていることはどれだけあるのか、自覚を持たなければいけない。
majizi

majizi