大好きな『この世界の片隅に』の片渕須直監督作品。
相米の『夏の庭』と作風がめちゃくちゃ似てる。
昭和30年代の山口県防府を舞台に、おてんばで妄想好きな新子と東京から転校してきた貴伊子を軸に、仲良くなった男の子たちや千年前の女の子との交流によって成長していく冒険もの。
『この世界の片隅に』でも広島弁の方言の面白さを上手く活用していましたが、この作品でも山口の方言が生き生きとしてます。
子供たちの夏の思い出として、ゆったりと時間が流れているのが心地よい。ウイスキーボンボン食べて酔っ払ったり、ダムをみんなで作って金魚を飼ったりと子供だからこそ楽しめることを存分に感じました。
ただ、純粋な子供たちの世界とは逆に大人たちの裏の嫌な部分も描くため、対比がとても怖かったです。小津安二郎の映画にも似てますね。
後半の展開は、いろいろと詰め込みすぎて散漫になっているように感じました…。
それでもラストシーンの綺麗な巻く引き、新子と貴伊子の明るく別れていくのが良い!
作品としては最初公開されてもヒットしなかったのですが、カルト人気になりその後ファンが口コミで広めたのでちょっと有名になったそう。
その体験は片渕監督を勇気づけて、次作の『この世界の片隅に』でクラウドファンディングをしたりするのに至ったそうです。
やっぱり観客の力は凄いですね!
製作中の『つるばみ色のなぎ子たち』も早く観たいです!頑張ってください!