昼寝

アルカトラズからの脱出の昼寝のレビュー・感想・評価

アルカトラズからの脱出(1979年製作の映画)
4.3
そもそも脱獄映画というジャンルがフェチズム的に好きなのだけれど、これも後期ドン・シーゲルの中じゃかなり好きなほう。強烈な個性を持つ囚人たちの過去は当たり前のように語られないし互いに罪状を尋ねようとすらしない。男同士の乾ききったドライな関係性、孤島の極限状態のなかで、脱獄という唯一かつ最大の目標に向けた経済的な協力関係と、ほんの僅かな情みたいなものの区別がつかなくなっていく感じに胸が熱くなる。脱獄を果たすためにチマチマ色々なものを作りつづける、という地味さも良い。イーストウッドが自身の頭部に似せた人形を囮に毎夜屋根裏へとを抜け出すのだが、異変に気づいた看守が独房の布団をめくると人形ではなくイーストウッドがちゃんと居る、というあのシーンはズルだと思う。
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