くぅー

脅迫(おどし)のくぅーのレビュー・感想・評価

脅迫(おどし)(1966年製作の映画)
3.9
ずっと気になってた、あの深作欣二監督の初期のサスペンスをついに鑑賞・・・"仁義なき"シリーズ前の1966年製作でモノクロながらも、スリリングにツボは押さえたコンパクトな仕上がりに、思わずニヤリとはできた。

48時間のサスペンスってことで、実にスピーディーな誘拐絡みの展開に無駄はほとんど無く・・・苛立ちつつもスマートに立ち回る脱獄囚や、片棒を担ぐ男にその家族の描写にも程良くバイオレンス要素があり、飽きは来なかった。
まぁ、逆転のオチに思った程のインパクトは無かったのが残念だが・・・その分、俳優達の頑張りでカバーしているかと。

そんな俳優陣では、まずは西村晃・・・クレバーな悪役を巧く演じるあたりは流石で、きっちりと鋭い目つきを印象に残らせる。
室田日出男・・・本作で一躍注目を浴びるのだが、持ち味のギラギラ感がいい。
そして、三國連太郎・・・徐々に常軌を脱し気味になりつつ、ラストで腹を括る姿は見応え充分。
にしても、あの佐藤浩市の父親は三國連太郎だってことを、最も頷ける作品なのかも。
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