「レバノン」
第66回ヴェネチア国際映画祭の金獅子賞受賞作品。デビッド・エアーの「フューリー」の様に戦場における戦車の車内を題材にしたドラマ。
戦車外の景色は車内のスコープから見える景色のみで、それ以外ほとんど全ての場面が、車内で展開される。
評価はあまり高くない様だが、決して悪い作品ではない。確実に日本版のジャケットのダサさが評価に影響している。映画自体はB級ではなく、ヴェネチアで賞を獲るのも頷ける出来である。
戦場でのドラマではあるが、むしろ戦場体験映画に近いのかもしれない。閉鎖された空間で、素早い選択を余儀なくされる兵士たちの精神が参っていく様を嫌というほど見つけられる。
身を守ってくれるのは防弾チョッキだけだが、開放的な外での戦闘とは異なる恐怖がある。本作はその部分をかなり上手く描けていた。
「フューリー」の内容をはっきり覚えているわけではないが、本作ラストの様な展開が途中にあった気がする。