園子温の短編作品。出ているのはうつしみでも出ていた荒川眞一郎さん。
この短編は結構好きかもしれない。園さんらしい四畳一間の部屋の中にカメラを大量に持ち世界を映してきた色彩障害を抱えた人が手術を受ける前に自分の持っていた世界を確認するために撮った作品。
色彩障害にかかっているため、見える世界はどれも同じ、色の区別なんて付けられない。だから不便という人もいるかもしれないが、寧ろこっちの世界にいるからこそ、見える世界があるかもしれない。そんなに色が大事なのか。本当はコッチの世界のほうが、世界の真実に近づけるのではないか、そんな葛藤が見られる映画であった。
相変わらず部屋を壊す描写を、敢えてカラーで描いていたのは、見ている側の視点のようでとても良かったと思う。