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ONE PIECE ワンピース エピソード オブ アラバスタ 砂漠の王女と海賊たちのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

2.5
王下七武海の一角クロコダイルの恐ろしい野望を打ち砕くため、砂漠の王国アラバスタの王女ビビは麦わらの一味と共に立ち上がる。国民の反乱を食い止めてアラバスタを救うべく、暗躍するバロックワークスの幹部たちと首都アルバーナで激突する。

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|| 『 90's_animania 』 ll
|| 提供 あちゃん よーだ ll
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 (  ) ̄旦 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∕


ー フィルマ王に俺はなる!(どん!)


◆劇場版「ONEPIECE」第八弾

ONEPIECEムービー初の試みとなるテレビシリーズの総集編。《偉大なる航路》入りを果たした麦わらの一味が最初に寄港したのが賞金稼ぎだらけの港町ウイスキーピーク。そこで登場した犯罪組織バロックワークスとの最終決戦の地がアラバスタ王国であり、偉大なる航路編第一章の完結部分といっても過言ではないパートがフィーチャーされています。

アラバスタ編はストーリーも世界観もキャラクターも大変に魅力的で(ドレスローサ編までしか抑えていませんが)個人的に一番好きなパートです。

ビビやアラバスタ国民たちの国を想う気持ちは勿論、今までの冒険において一味の中でも戦闘シーンで特に目立った見せ場が無かったキャラクターの活躍が嬉しい。バケモノ戦闘員ではない航海士ナミと狙撃手ウソップが、仲間を想う気持ちから奮起して敵方幹部を撃破する大金星を挙げた事には驚きました。さすが未来の海賊王のクルー。ラストを飾る名シーン《仲間の印》は言わずもがな。原作漫画の作画もこの頃が一番好きでした。


◆企画の承認プロセスが知りたいレベル

ポテンシャルの高いテーマを再編集してみたはいいものの、今作を見た後の感想は「これいる?」の一言に尽きます。アラバスタへ上陸する直前から決着するまでを描いていますが、それでも原作の内容はかなりボリューミー。90分の尺に納めるのは厳しいでしょう。そこは理解します。(そもそも無理があるのは企画段階でわかっていたハズなので、工夫して欲しかった。)

ですが「制作時間も足りなかったのか?」「リソースが不足していたのか?」「だから人気のあるアラバスタ編を突貫工事で形にしようとしたのか?」と訝るくらいに作画がヤバい。アニメ版の再編集ではなく、全編新作カットということですが、そんなことでドヤられても困ります。

作画のクオリティだけでなく編集された作品の構成もヤバい。原作を読んでいたので脳内補完しながら何とかついていけたものの、一見さんにとってはかなり厳しい内容だったのでは。最初から尺が厳しい想定はできたはずなので、どうせリメイクするなら漫画(アニメ)の焼き直しではなく裏話とか別キャラ視点のエピソードを中心にまとめても良かったと思います。中途半端な戦闘パートとドラマパートに感動することは無く、既視感と違和感だけが残りました。

強いて言うなら、瀕死のロビンがサウロの笑い声に導かれるようにメリー号を見つけたカットが差し込まれていた所が良かったくらいかなぁ。


1940年代に提唱された《ヨウ化銀を用いた人工降雨》について、現在でも各国で種々の取り組みがなされています。世界的に猛暑日が話題となった今夏、メキシコでも同様の実験が行われます。地球システムへの影響や国家間紛争の火種となる懸念が日経新聞でも取り上げられていました。

本編で登場した『ダンスパウダー』の元ネタでしょうか。ただの漫画と侮れないのがONEPIECEの魅力の一つ。興行収入も大事ですが、劇場版作品を制作するならせめて原作の品位を下げないようにしていただきたい。


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Dear.あちゃん

今までの劇場版ONEPIECEが原作ブレイカーすぎて今作にちょっとだけ期待を寄せていたんだけど、見事に打ち砕かれた感( ˘-з-)

次のドラム王国リビルドは原作の尺も短いし、上手くやって欲しいなぁ...。