溶暗のような画面の暗さが電気椅子の電圧調整による照明の明滅によるものと分かり、ディゾルブによる場面転換かと思い込んでいたため恐怖に顔を強張らせる死刑囚達の顔が次々と浮かび上がるシークエンスがそのまま持続するという前半が凄くキツい。

ミッキー・ルーニーが暴動を主導する後半では、死刑囚と看守の立場が完全に逆転し、当然ながら憎たらしい振舞いを見せていた看守は殺されるのだが、ここでの看守達の追い詰め方も凄まじい。特に刑務所長が義弟であるレオン・ジャニーの命乞いを一方的に断つ展開は余りに非情。劇中に電気椅子が映ることはないが、スピーカーのスイッチを切る瞬間は処刑するように撮ってる。

元はブロードウェイの舞台劇であり、1932年に映画化された『The Last Mile』のリメイクだが、同じくミッキー・ルーニー主演の同年の映画『殺し屋ネルソン』の主人公が射殺を免れ収監されていたら……という見方も楽しめる