1961年　アメリカ映画　監督はアナトール・リトヴァク　イングリット・バーグマンがアカデミー主演女優賞をとった「追想」の監督。
脚本はサミュエル・A・テイラー
「愛情物語」「麗しのサブリナ」の脚本家だ。

原作はF・サガンの「ブラームスはお好き？」だ。
全編、ブラームスの交響曲第3番の甘美なメロディが様々にアレンジされながら各場面で流れ、これだけでもうっとりさせられる。映画音楽の名曲。

　これだけのキャストだから、当然当時注目されていた作品だ。
　私は何十年も前、淀川長治の「日曜洋画劇場」でこの映画を知ったが、全編を通して観ていなかったので、ずっと気になっていた作品だ。

　トラック販売会社の重役ロジェ（モンタン）と5年越しのつき合いの室内装飾家のポーラ（バーグマン）は、なぜか未だに結婚に踏みきれないでいる。それはロジェの身勝手な恋愛観によるところが大きい。そんな中、ボーラは仕事で知り合ったフィリップ（アンソニー・パーキンス）に猛烈なアタックをかけられ、寂しさからこの青年の愛を受け入れる。

バーグマン40歳、アンソニー・パーキンス25歳の役所。バーグマンは往年の美しさに翳りが見えて、後ろ姿は老いを感じさせる。と言っても、もちろんフィリップが夢中になるのは十分わかる美しさだ。

　フランス俳優イヴ・モンタンが演じるロジェは金持ちのプレイボーイ。あまり嫌味に感じられず、飄々と女性を渡り歩く役所にズバリはまっている。

　意味深で気になる「さよならをもう一度」と言う題名。どう言う結末でこの題名になったのかは観てのお楽しみ。

2022.12.04視聴-531

• #私の恋愛映画ベスト100

ブラームス

会社の重役ロジェと関係を持つキャリアウーマンのポーラ
若い男性フィリップと知り合い、親しくなるが……

年の差の恋
難しいですね

ロマンス
優雅な暮らしの中に

イングリッド・バーグマンの感じが良かったです

あらすじだけでは測れない、とても趣きと奥行きのある恋愛映画。

と言うより、恋愛模様を描くのではなく、
恋愛というもの、そのものを描いている。

元祖「愛がなんだ！」作品！

3人のビックスターが共演。
彼らが醸し出す、存在感と仕草や表情から
多くのことが飛び出してくる名作です！

これを単に、歳が離れた恋愛や中年カップルのよろめきでは決してない。

いくら愛しても、愛されても、
セックスしても、結婚しても、

決して手にすることができない。

手にしたとおもっていても、時が経つと
手にしたことさえもはっきりしなくなる

つまらない常識的な見方をすると、
この3人は不道徳だし、大人としても
とても褒められるもんではないかもしれないけど、

そんなことはどうでもいいんだ！

イングリッド・バーグマンとイブ・モンタンの中年カップル。

自由や束縛しないという気軽さと反して
一緒にいたい日曜に居れない。
だけど、それを咎めるほど野暮でない。

そこに、バーグマンより15歳も歳下の
アンソニー・パーキンス。

彼の押しの強さ、最近ではとんとないというか映画でもあまり見かけなくなった押しまくり、
何かとっても新鮮にさえ感じる。

映画はバリの街並みやブラームスの曲を巧みに味付けにして、美しく進んでいく。

三文ドラマなら、一途な歳下の押しに負けるオトナの女性の話、

2人が結ばれた夜は、官能から感動でまとめ上げるのに、ここでは全く違う。

愛はそこなはないのだ。
たとえ、一途に愛された夜にさえ、、

イングリッド・バーグマンの完璧な美しさの中に、僅かに見える「老の訪れ」

劇中の回想しーんでさえ、違和感のない
アンチエイジング的な美しさの中にも見える、見せる、老という残酷さ、

バーグマンだから、さらにそれが際立つのかもしれない。

ラストはさらに秀逸。
この三角関係のドラマの締めは、
「こう来たか！」

愛はかくも、答えの分からないものなのか



PS 傷心のフィリップは、その後のアメリカの片田舎の小さなモーテルのオーナーになりました💦🥶😅