ニクガタナ

ブラス!のニクガタナのレビュー・感想・評価

ブラス!(1996年製作の映画)
3.6
英ヨークシャーの グライムソープ・コリアリー・バンドの実話を基に、炭鉱町の貧しい市井の人々を描く ザ・イギリス映画を再鑑賞。アラフィフになって観ると約25年前の初鑑賞時とは一味違う面白さ。鉱山閉鎖の危機に揺れる炭鉱町の伝統あるブラスバンドのメンバーがくそったれな人生の岐路に、尊厳失わず全英選手権への出場を目指す人情群像劇で、それぞれが抱える悩み、問題の行方が素直に気になり観飽きない。タネも仕掛けもなく一寸地味だが、劇中のカンパのように、まんまと涙を徴収していく脚本が上手い。バンドのリーダー役ピート・ポスルスウェイトの最後の演説がグッとくる。ユアン・マクレガーが爽やか。ちょっと出っ歯のヒロイン役タラ・フィッツジェラルドも可愛い。仕事を終え、楽しげにシャワーを浴びてオンボロ小型車にぎゅうぎゅうになって帰る炭鉱夫の日常描写が滋味があってなんか良い。金はなくてもビールはパブで飲むのね。そして皆タバコを吸う。本物のバンドメンバーが出演、演奏してる楽曲も知ってる有名曲ばかりで盛り上がって良し。エンドロールはベタに威風堂々。ビール飲みたくなること請け合い。
ニクガタナ

ニクガタナ