れーみゅ

宣戦布告のれーみゅのネタバレレビュー・内容・結末

宣戦布告(2001年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

日本の状況劇系の映画ってやっぱり良作が多いですね。ゼロ年代初期のフィルターかかった映像で偉そうな人がひたすら喋ってたりSATや自衛隊が戦ったりしてるのを見られるだけで満足 どこかポーズめいて微妙に響かない憲法批判・自衛隊批判や、明らかにレトロフューチャーな司令部やいかにも映画っぽい通信機器のUIや情報処理プロセスも「ああ〜一昔前のポリサスだね〜」という感じで懐かしさを楽しめる
ゲリラの掃討でしかない小規模な武力衝突から急に諸々のエスカレーションを吹っ飛ばして全面核戦争の危機が生じる(そして尻切れトンボにそれが落ち着く)という今見ると大分トンチキな終盤のお話も、そういうシナリオが少なくとも大衆文化では受け入れられていた冷戦時代の残り香を感じて悪くない感じ(あとB-2めっちゃかっこええ〜)
しかしこうしてみると、『シンゴジ』とか『パト2』とかの会議シーンってだいぶ切羽詰まって進んでいったよなあ、と不意に思った ああいうリズム良くケレンの効いた撮り方で進む会議も好きですけど、この映画みたいに抑制的なカメラワークとカット割でゆったり進む会議も好き(背広のおっさんがただクタクタ喋ってるシーンをより長く観られるため こういう「高揚感のない」会議シーンが本作の売りだと思います)
関係ないけど、半端な知識で本作の軍事描写を微妙な角度からディスってるレビュー群を見てまあまあ笑わされました。ツッコむなら89式に見えなくもないARのプロップガンを間近で映してる所とか「ウイルスでもぶち込んでみるか」みたいな面白いくらい時代を感じるサイバー戦描写とかでしょ(それにしてはチャットでやり取りする工作員が妙に現代のテレグラム使う犯罪者とかを彷彿とさせて変な笑いも出ますし、どうしても89式が排莢する絵を撮りたかったんだな〜という心意気は感じますが)
RPGで簡単にヘリが落ちると思ってるならBHDやロンサバの見過ぎです 見るからに政治的主張としては失敗してるし細部にケチつけることなんて幾らでもできる映画なんだから、「プロパガンダ映画(そもそもこんだけ自衛隊がボコボコにされてんだからプロパガンダになってないと思いますが)」だの見りゃ誰でも分かるような紋切りの感想言ってないで、他の状況劇映画にない面白さを探してみるのが建設的だと思いますけどね
れーみゅ

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