チーズマン

インデペンデンス・デイのチーズマンのレビュー・感想・評価

インデペンデンス・デイ(1996年製作の映画)
4.3
最近の某アカデミー賞の何かの騒動の写真と映像を見て、なぜか既視感がありました。

これを観て思い出しました、宇宙人だろうが会うなりブン殴る!
ウィル・スミスはすぐ手が出るんです 涙

今や大スターになったウィル・スミスですがこの作品で彼の果たした役割は重要で、当時みんなが観るようなSF超大作に黒人でありながら死なずにメインキャラとして最後まで活躍をするヒーローを演じたということでウィル・スミスが一躍スターになり後進へと道を切り開いた、と前に何かで書いてあるのを見た気がします。
嘘だったらすみません…

まあ実際、子供の頃に観た時にはジェフ・ゴールドブラムと並ぶ存在感だった印象です。
ていうかウィル・スミスを知ったのも多分この作品です。


エメリッヒ監督のパニック映画の中では未だに1番面白いと思います。

特に意味もなくキャラが死んでいくのも、出来の悪い群像劇も、そしてその出来の悪い群像劇が御都合主義で大雑把に回収されるのも、娯楽大作パニック映画ってまさにこういうものだと思うので嫌いになれない作品です。
まあ、小さい子供の頃にそういう大雑把な映画の楽しさに影響された世代なのでなおさらかもしれませんね。
当時、無邪気なぐらいバンバン作られてたし、テレビ放映もされてたんですよ。


あと今回観返してみて面白かったのは、ファーストカットが月に立てた星条旗から始まることからもご存知の通りアメリカ中心主義の権化のような映画ですが、にしてもなにかやけに変な磁力を感じるアメリカ万歳映画だなと思って、多分これって監督がローランド・エメリッヒだからなんですよね。

似たようなジャンルでのアメリカ万歳映画だと、まだマイケル・ベイの『アルマゲドン』の方がいかにもカラッとした正統派なアメリカ味って感じがします。
あれは良くも悪くも違和感無いんですよ。


しかしこの映画って、ウィル・スミスが広大な砂漠でエイリアンを引きずりながら歩いてもう限界だって時に、往年の西部劇でいうところの救いの騎兵隊よろしく颯爽と現れるのがなんとRV(キャンピングカー)の大群なんですよ。笑
あと国家のピンチの時には田舎の飛行機乗り達が集まるし、挙げ句の果てにアメリカ合衆国大統領みずから戦闘機に乗ってミサイル撃つんですよ。笑

全部がアメリカっぽいといえばそうだけど、…そこ?みたいな斜め上行く感じは、ドイツで生まれ育ちながらも父に連れられてアメリカに何度も旅行に行って憧れを積もらせて最後に『スターウォーズ』でガツンとやられて映画監督を目指したローランド・エメリッヒだからこそなんだと思います。

ドイツからハリウッドに来たエメリッヒ監督の、俺が思うカッコいいアメリカ!が詰まった作品なんです。
そう思うと愛嬌を感じてしまいますね。

だってあらゆる意味で全然違う印象のウェス・アンダーソン監督とやってることほとんど同じなんですよ。笑

だからこそアメリカだけじゃなく日本含め色々な国で実際にヒットしたんだと思います。
実際1番力があった時期のアメリカ、その国内外の様々な人の憧れの中にあるある種架空のアメリカ像を映像化したわけですからね。


あと個人的な思い出として、小学生の頃に友達とその父親と一緒にゴジラ映画を観に映画館へ連れて行ってもらった時に、保護者として来てた友達の父親が自分だけゴジラを観るのをやめて違う映画にすると言い急いでどっかに行きました。
子供ながらに、ゴジラを捨てて何を観に行ったんだ、あのオッサンは、気でも狂ったか?と思って気になりました。
しかし、後でその友達の父親と合流するとやけに満足げな顔してたのを覚えています。
その作品がまさにこの『インデペンデンス・デイ』だったんですが、ずっと気になってレンタルになった瞬間に借りて観ましたね。
案の定、洋画と特撮に夢中な小学生の自分にとっては大満足な映画でしたね。
映画館で友達の父親がこっちを選んだのも納得しましたもん。

とにかく画面いっぱいに広がるような大きさ表現がたくさん出てくる作品です。

あとゴジラ繋がりで言えば、劇中でスティーブン・ヒラー(ウィル・スミス)の子供の役の男の子が遊んでる人形がキングギドラとゴジラでした。
まさかのリンク!
チーズマン

チーズマン