福福吉吉

エボラ・シンドローム/悪魔の殺人ウィルスの福福吉吉のレビュー・感想・評価

4.0
◆あらすじ◆
昔、香港で組長を殺したチンピラのカイは南アフリカに逃亡し、コックとして仕事をしていた。ある日、先住民の村で豚を買いつけた際にエボラ菌に感染するカイだったが、希少な免疫保持者で復調する。店主の妻の態度に腹を据えかねたカイは店主もろとも殺害し、ハンバーガーにして販売してしまう。食べた客に次々とエボラ菌が感染する中、カイは香港へ舞い戻りエボラ菌を拡散していく。

◆感想◆
下品。とにかく下品。主人公のカイ(アンソニー・ウォン)の粗雑で暴力的、それでいて性欲まみれという悪臭が映像から伝わってくる作品となっていて、全く感情移入できないが欲望に忠実すぎるカイの暴れっぷりは観ていて面白かったです。下品ですけど。

本作は残酷な描写が多くあり、人を切断するシーンのほか、検視官の解剖シーンも必要以上に惨たらしく描写しており、その遠慮のなさは観る人を選ぶと思います。「汚い・エロい・グロい」の三拍子が整った作品となっていました。

カイはとにかく女好きで、組長の女房を寝取ったことで組長に激怒されるのですが、逆ギレして組長を殺して南アフリカに逃亡します。最初でカイの性格や行動がよく分かるように描かれていました。

南アフリカでは料理店に就職するも殺人犯ということで安い賃金で働かされ、店主やその妻へ恨みを持つようになります。カイはとにかく性格がねちっこい。観ていて嫌悪感を抱きますが、傍観している分には面白いんです。

エボラ菌の保菌者となったカイは意図せずして周囲に唾液や汗、精液と振りまいて感染者を増大していくのですが、これが地獄絵図でした。ラストもカイらしい憎たらしい行動の数々で楽しませてもらいました。

下劣で良心の欠片もない純粋な悪役としてパワー満点で、滅多に観れない作品だったと思います。

鑑賞日:2024年3月9日
鑑賞方法:DVD
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