父と娘の物語。そもそも、父親は自分のことをそれほど娘に話すことはないだろうけど、アグスティンは孤独だったのではないかな、と想像する。家族としては微妙な連帯感だったのかもしれないが、アグスティンはエストレリャと仲良くしたかっただろうし、自分のことをわかってもらいたかったのだろう。直接的に思いを言わないのがどこか辛かった。彼自身が生きづらい時代背景もあったのだろうけど。
家の外の「国境」の引きの画が良かった。絵画のような景色。あの場面が出てくるといったん、心がリセットするような感覚。
ベッドの下、ホテルでの会話、ダンスシーンなど2人のシーンが脳裏に焼き付く。親子とか家族とはいえ、過ごせる時間にはわりと限りがあると感じたし、大事にしたいなと思った。