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麻雀放浪記のryoのレビュー・感想・評価

麻雀放浪記(1984年製作の映画)
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原作が圧倒的に面白いので観るのをやや躊躇ってきたけど、たとえチンチロや麻雀を知らなくても十分楽しめそうな、いい味の映画になっていた。技術的には粗があろうが、いい画はあるし、面白いものは面白い。和田誠という人の魅力。
阿佐田哲也=色川武大の見事な人物造型から吐かれる科白を活かした再構築。坊や哲-真田広之はやや甘いが、鹿賀丈史のドサ健や高品格の出目徳、加賀まりこ大竹しのぶの「贅肉のない」色気は絶品。敗戦と博打。84年公開でモノクロを選んだのは本当に正しい。麻雀指導には雀鬼・桜井章一や荒正義が名を連ねており、当然阿佐田哲也も見ているはずで、かなり力が入っている。上州虎にサイレント時代の活弁士という設定を与えたのは時代柄すぐれた映画的な思いつき。
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