猫目

ジャーヘッドの猫目のレビュー・感想・評価

ジャーヘッド(2005年製作の映画)
3.4
戦闘シーンが出てこない戦争映画を再視聴
湾岸戦争に従軍した方の実際の回顧録が元にあるようですが、斥候狙撃隊として現地に赴いた時は戦争末期だったため、砂漠での訓練と待機のみで帰還した青年の物語。狙撃より効率の良い空爆などを使う現代の戦争が、よりリアルさを増しています。
音楽も良かった!やはり病み描写ではNirvana が合うんだね。

‘89〜’91年の出来事とはいえ、ちょっと血の気が多い少年達を集めて、早く敵を◯したい!なんて殺人マシーンを作り上げる軍隊の心理作戦も怖い。
「フルメタル・ジャケット」的なブートキャンプから出撃直前に「地獄の黙示録」を映画館で全員で観て士気を高める計算ずくなやり方、最初はあまりのマッチョイズムに入隊志願したことを後悔してるトニーことジェイク・ギレンホールも、この辺から「早く戦争行きたい!早く敵を◯したい!」ってなってるし。それだけに何もせず帰国した兵士たちの喪失感も大きく(誰も撃つことなく終わってよかったね!にはならないのだ)戦争というものの無意味さを問う造りになっています。
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