theocats

一年の九日のtheocatsのレビュー・感想・評価

一年の九日(1961年製作の映画)
3.0
ソ連の原子力施設。ある実験で大量の放射線を浴びてしまった青年科学者。
その婚約者であり妻となる女性科学者。そして二人の友人であり、女性に恋心を寄せる男性科学者。それら3名他が織りなす「静謐過ぎて眠気を催す」九日間の物語。

意図的なのか当局への忖度なのか、核の危険性を煽りたてる演出ではなく、かといってじわじわ恐怖を視聴者の内に呼び起こすというのでもなく、ひたすら淡々粛々と表層的に劇が展開。
知的にも感情的にも満足とはならなかったが、この映画の雰囲気こそが、原子力の危険性さえ「受容・甘受」して研究実験に携わるしかなかったソ連科学者の状況をよく表しているという可能性だって当然あるだろう。
theocats

theocats