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ここに幸ありのkojikojiのレビュー・感想・評価

ここに幸あり(2006年製作の映画)
3.5
#1226
2006年 フランス🇫🇷/イタリア🇮🇹/ロシア🇷🇺映画
監督はオタール・イオセリアーニ
  
この監督作品の初鑑賞。
フォロイーさんgenarowlandsさんの「群盗 第七章」のレビューを読んで観たくなったのだが、今のところこの作品を観る術がないので、同じ監督のレンタルできる作品を選んでみた。

「ここに幸あり」
なんか小さいころ聞かされた懐メロにそんな曲があったような。

とにかく、まずはどんな作風が味わってみることにしたが、かなりの薄味。薄いスープを飲んでる感じだが、すごく個性的だ。ハマれば病みつきになりそうだ。
物語そのものにあまり抑揚がないのに加えてBGMもなく、台詞も相当控えめだ。

ある日突然、大臣の座を追われたヴァンサン(セブラン・ブランシェ)は、仕事もお金も失ってしまう。妻にも愛人にも愛想を尽かされ、故郷へ帰ることにする。旧友たちとワインを飲んで歌ったり、自由気ままな日々を満喫するうちに、本当の豊かさや幸せに気づいていくというお話。

監督が言わんとするとことはよくわかる。仲間に囲まれた、自由気ままな暮らしは、大臣の暮らしよりよっぽどマシだろう。
それは、簡単なようで簡単ではない。ほとんどの人が「そこに幸せ」があるのはわかっている。しかし辿り着けないのが現実だ。誰でも故郷に帰ればそんな暮らしが待っているわけではない。
何十年の努力と運がなければならない。特に周りの人に恵まれることがどれだけ難しいことか。
ヴァンサンは、大臣になる前にそんな環境を作っていたのだ。本人に自覚がなかっただけ。

2023.06.06視聴261
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