マッシモ

クワイエットルームにようこそのマッシモのレビュー・感想・評価

3.8
松尾スズキ氏の同名小説の映画化。

内田有紀さん、蒼井優さん、大竹しのぶさん、りょうさん。(他多数)
名女優さんを揃えての精神科閉鎖病での人間模様を描く1作。

ストーリー
フリーライター・佐倉明日香(内田有紀)は、ある朝目覚めると見知らぬ白い部屋にいた。正体は「クワイエットルーム」と呼ばれる精神科病棟の隔離室。何もない部屋で両手足と身体の5点拘束を受けていた明日香は状況が飲み込めずにあたふたしだすが…。

総評
予想以上に良かった。出てくる人みんな癖があり見ていて飽きなかった。お気に入りは患者西野(大竹しのぶ)と癒やし系看護師の山岸(平岩紙)。西野は言わずもがなの大竹さん。どこぞの黒い家から入院されましたか?と疑いたくなる意地悪ババアぶりは流石です!そしてもう一人の看護師の山岸さんは、誰に対してもゆるっとふわっと接するその姿、そしてブルジョア部屋のサエちゃんがご飯を完食した際の嬉し泣き。いいキャラだと思います、殺伐としがちな物語に彼女が入ることで良い緩急が付いたと思います。

本編の見せ方からも一言だけ。「事故なんです私は正常なんです」と言い張る明日香の言葉とは裏腹に、夫、鉄雄(宮藤官九郎)の言葉や自信のモノローグで明かされる内容はドロドロで真っ黒であり、上辺の言葉には真実などないと思わされるこの構造は見ていてかなり心に来た。

あとがき
冒頭、庵野秀明さんのいきなりの登場は正直びっくり!あのやる気のなさそうな精神科医はすごーくぴったり。そして瞬殺で退場するもの流石、後腐れなし!
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