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変奏曲のtunicのレビュー・感想・評価

変奏曲(1976年製作の映画)
5.0
あんまり評判よくないみたいだけど、最高のエトランゼ映画じゃないですか!もっと早くみておけばよかった。ATG映画なのに中平康の撮ったロマンポルノという印象。実際には撮ってないけど、そういう道もあったのではとつい想像してしまう。アンニュイな有閑マダムの麻生れい子、シャルル・ジョルダン履いてパリの街を優雅に歩いてるだけでかっこいい。踏まれてぇ~!カフェで十数年ぶりに偶然の再会したとたん南仏につかの間の駆け落ち旅行するお相手の活動家(いわば一種の亡命生活者だとか)佐藤亜土さんもいい佇まいの人物。本業はフランス在住の画家だそう。二人の観念的で空虚なセリフも心地よく聞こえる。こういう雰囲気だけの映画ってほんとたまらなく好きだ。

アフレコになんか違和感あると思ったら、麻生れい子のセリフはロマンポルノの女優さんによる吹き替えなんだそう。実際にほかの映画と全然違う声だし。クレジットは無いけれど、なんとなく二条朱実さんの声のような気がする。あと劇中で何度か流れる主題歌(いまフランスでヒット中の曲、という設定)は、タイトルのクレジットによると歌唱・中丸信とあるんだけど、ほんとうにあの中丸さん?声の感じは完全にそれっぽい。こういうところにもロマンポルノとの縁を感じられて勝手に嬉しくなる。
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