このレビューはネタバレを含みます
母親ソフィー
あの時、将校に言われ一瞬で娘か息子か決めなければならなかった。考える時間もない。ドイツ将校は選択肢が与えられただけでも感謝しろと。ソフィーの口から咄嗟にでたのは…。
母親にとってこんなに辛い選択はない。
選んでも、選ばなくても後悔する。
多分生きてるうち考えない日は無かったろう。こんな事は死ぬより辛い。自分がもしソフィーだったら…。
母親から子供を取り上げたら、もう抜け殻になってしまう。
自分が幸せになりたいとも思わないし、なる権利もない。ソフィーにとっては生きている意味など最早ないのだろう。
ラストは
静かな悲しみが押し寄せてくる。ふたりは楽になれたのだろうか…。
スティンゴにとっても多分一生忘れられない、いや忘れちゃいけない三人の人生と戦争。
戦争が、家族、夫婦、子供、そして自分自身を崩壊させてしまった。本当に恐ろしい力。抗えない大きいうねりのような力だと思った。
余韻がもの凄かった。涙なくしては観られない。名作というか隠れた大作でした。