KnightsofOdessa

アメリカ帝国の滅亡のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

アメリカ帝国の滅亡(1986年製作の映画)
1.5
No.742[帝国の衰退はイズムの時代が遺した悪夢(らしい)] 30点

昔「みなさん、さようなら」のDVDに入っていたアルカンのインタビューを見ていると、彼は質問を完全無視して本作品との連続性について熱く語っていた。という訳で"精神的前編"となる本作品の存在は認知していたが、長らく放置していた。

大学教授のレミ、ピエール、クロード、アランは郊外の屋敷で、ドミニク、ルイーズ、ディアーヌ、ダニエルは大学のジムでセックス談義をし、やがて8人は郊外の屋敷に集まって再びセックス談義に花を咲かせる。印象に残ったのは冒頭の長回しとリビング~キッチン間の会話シーンくらい。あとは只管セックス談義かセックスの回想。

「みなさん、さようなら」では親子の確執、生と死とセックス談義がテーマだったが、本作品は前のふたつを抜いた、つまりセックス談義の映画だ。登場人物が只管喋る。そして、それは"ビフォア"トリロジーのような等身大の会話でも、ルビッチやマンキーウィッツのようなウィットに富んだ会話でも、ロメールのような恋の駆け引きでもなく、色情狂と見紛う"高尚"な会話だ。
斯くして、本作品の中枢である共感すら出来ないセックス談義を理解することは不可能だったから、題名の意味も含めて何が何だか全く追えていない(興味も湧かないし)。

カサノバとかなら共感して良い感想書けるんじゃね。私には無理。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa