工藤蘭丸

猿の惑星の工藤蘭丸のレビュー・感想・評価

猿の惑星(1968年製作の映画)
4.0
『猿の惑星』シリーズは、ティム・バートン監督のリメイク版を除いて全作品観ていると思うけど、このシリーズは結構好きだし、来月新作が公開されるようなので、この機会にDisney+でもう一度全部見てみようかと思っています。

第1作は1968年のフランクリン・J・シャフナー監督作品だけど、私が初めて観たのは高1の時のクリスマスイブに放送された月曜ロードショーでした。

その日の仙台は記録的な大雪で、膝の近くまで雪に埋もれながら、やっとの思いで学校から帰ってきたので、衝撃的なラストシーンと共に、よく覚えていますね。その時はたしか、当時のテレビの洋画放送としては史上最高の、40%近い視聴率を記録したものでした。

その後もどこかでもう一度ぐらい観ていて、今回は3度目ぐらいだと思うけど、やはりあらかじめ結末が分かっていると、面白さが半減するのはやむを得ないところかな。

おかげで、普通は猿が英語をしゃべっている時点で気づかなきゃおかしいだろうなあとか突っ込みたくもなったけど、一番最初に観た時は日本語吹替だったこともあるし、当時はたとえば戦争映画などでも、ドイツ人が英語をしゃべっていたりするのも当たり前だったので、そういうことには思いもよらなかったものでしたね。

それから、今回観て初めて気づいたんだけど、昔淀川長治さんの講演を聞いた時、彼が信条にしている言葉が3つあると言っていたものでした。それらは、いずれも映画のセリフから取られたもので、

1. 苦労来い Come trouble
2. 他人歓迎 Welcome stranger
3. 私は未だかつて嫌いな人に会ったことがない I never met a man I didn't like

という話だったけど、本作の中に「嫌いな猿に会ったことがない I never met an ape I didn't like」というセリフが出て来て、ひょっとしたら淀川さんが引用した元ネタはこれだったのかも知れないとも思いました。